はじめに

官公庁や自治体の業務を受託するには「入札参加資格」を取得しておく必要があります。資格の取得申請を進めるなかでは「名簿」「搭載」「随時申請」など、耳慣れない用語に出会います。
この記事では、これから入札参加資格申請に関わる方に向けて、知っておくと便利な基礎用語をやさしく解説します。


「名簿」

入札参加資格を取得している「業者名簿」のことです。入札参加資格を取得すると、自治体や官公庁が管理する名簿に登録されます。この名簿は、自治体が発注先を選定する際に参照するリストのようなものです。
名簿に登録されていなければ、そもそも入札に参加することができません。逆に言えば、「名簿に載る=入札に参加するスタートラインに立てる」状態になります。

「名簿搭載」

「名簿搭載」とは、前述の名簿に登録された状態を指します。「搭載」と聞くとピンと来ないかもしれませんが、「リストに掲載された」と置き換えることもできます。
たとえば「○○市の入札業者名簿に搭載済」と言えば、「その市の名簿に登録されていて、案件への入札資格がある状態」という意味です。

「新規申請」

「新規申請」は、まだその自治体の名簿に登録されていない事業者が、初めて入札参加資格を申請することを指します。

「定期申請」

決まった申請受付期間で申請を受け付ける形態を「定期申請」と言います。たとえば「令和7・8年度分」の受付を令和6年の一定期間に行うなどです。

「随時申請」

「随時申請」とは、自治体によっては、定期申請の期間以外でも常時受け付けしている申請形態を指します。
たとえば、「年度途中だけど急に案件に参加したくなった」「新しく法人を設立した」といったケースでも、申請できるようにしている自治体があります。
ただし、随時申請でも書類審査・承認には一定の期間がかかるため、「早めの行動」が鉄則です。

「ICカード」

電子申請に対応している自治体では、本人確認や電子署名に「ICカード(電子証明書)」が必要です。
具体的には「コアシステム対応のICカード電子証明書」と呼ばれ、GビズIDや民間の認証局が発行するICカードを使用します。
注意点として、ICカードの取得・更新には数日~数週間かかることもあるため、余裕をもって準備することが大切です。また、カードリーダーやドライバーのインストールが必要な場合もあるため、IT環境との整合性にも注意が必要です。


まとめ

入札参加資格申請に関する用語は、普段の業務では使わない表現も多く、最初は戸惑うかもしれません。しかし、言葉の意味を一つずつ理解すれば、申請の全体像がつかめ、社内調整やスケジュール管理もスムーズになります。
社内で初めて担当する方への共有資料としても、この記事が役立てば幸いです。


参考

全省庁統一資格について | 調達ポータル
https://www.p-portal.go.jp/pps-web-biz/geps-chotatujoho/resources/app/html/shikaku.html
総務省|地方自治制度|地方公共団体の入札・契約制度
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/bunken/14569.html
東京都入札参加資格申請の手引き – 東京都入札参加資格の申請なら、行政書士法人スマートサイドへ!
https://www.toukyouto-nyuusatsu.jp/tebiki