はじめに

本シリーズでは、「入札参加資格申請をしてわかったこと」をテーマに、申請の過程で気づいたポイントや、会社として必要な対応についてまとめています。
今回は「障がい者の法定雇用率」について取り上げます。
入札参加資格の申請時には、障がい者雇用状況報告書の提出が求められるケースが多く、申請をきっかけに「法定雇用率」を初めて意識した、という方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、法定雇用率の基本的な考え方や、なぜ申請時に関連書類が必要になるのかを、実体験を交えてわかりやすく解説します。これから申請に関わる方の参考になるだけでなく、社内全体での理解が深まるきっかけになれば嬉しいです。

障がい者の法定雇用率とは?

法定雇用率とは、企業に対して一定割合の障がい者を雇用する義務を定めた制度です。厚生労働省が定めており、従業員が一定数以上いる企業は、法定雇用率に基づいて障がい者を雇用する必要があります。
たとえば、2024年度時点では、従業員数が43.5人以上の企業には、2.5%(43.5人に対し約1人)以上の障がい者を雇用する義務があります(2026年度には2.7%に引き上げ予定)。

申請書類で求められたこと

入札参加資格の申請では、「障害者雇用状況報告書」の提出が求められました。これは毎年6月1日時点での雇用状況を記載したものです。
雇用していない場合でも、「雇用していない」という状況を含めて報告書を提出する義務があります。つまり、単に「雇っていないから不要」というわけではない点に注意が必要です。

なぜ入札に「障害者雇用状況報告書」が必要なのか?

入札に参加するということは、公的な契約の相手となるということです。そのため、企業としての社会的責任やコンプライアンス体制が見られることになります。障がい者雇用も、その一部として確認されているというわけです。

提出・取得にかかる注意点

この「障害者雇用状況報告書」は年1回の発行ですが、社内取得には一定の時間がかかることもあります。余裕を持って準備しておくことをおすすめします。

まとめ

入札参加資格申請を通じて、普段の業務ではあまり意識していなかった「会社としての義務」に触れることができました。障がい者雇用のようなテーマも、申請書類の準備をきっかけに知識を深めることができました。
こうした制度を正しく理解し、企業としての責任を果たす姿勢が、公的契約を結ぶ上での信頼にもつながっていくのだと感じます。


参考

事業主の方へ|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html
7(1)障害者雇用率制度|独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構
https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/q2k4vk000003mbma.html