はじめに

本シリーズでは、「入札参加資格申請をしてわかったこと」をテーマに、申請の過程で気づいたポイントや、会社として必要な対応についてまとめています。
今回は「貸借対照表」について取り上げます。
入札参加資格の申請では、提出を求められることの多い「財務諸表」。中でも「貸借対照表」について、入札に関係する観点を中心に解説していきます。

貸借対照表とは

貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)とは、企業の資産・負債・純資産の状況を、ある時点(通常は決算日)で一覧にしたものです。
この表では、会社が何を持っていて(資産)、どれくらい借金があって(負債)、自分の資本がいくらか(純資産)を示しています。

入札申請でなぜ必要?

入札参加資格を審査する自治体や公的機関は、申請企業がきちんと財務基盤を持っているかどうかを見極めたいと考えています。
そのため、貸借対照表の提出を求めることで、企業の健全性や継続性を確認しています。

特に見られるポイントの一例として
資産の総額とその内訳
自己資本比率(純資産÷総資産)
債務超過に陥っていないか
などが挙げられます。

3つの基本構成

貸借対照表には、大きく以下の3つの項目があります。

資産
 会社が保有しているお金や建物、在庫など。流動資産(1年以内に現金化される)と固定資産に分類されます。
負債
 借入金や未払金など、他人から借りているお金。こちらも流動負債(1年以内に返済予定)と固定負債があります。
純資産:
 資産から負債を引いた、会社の「持ち分」。資本金や利益剰余金などが含まれます。

「健全性」を判断する指標とは

企業の状況を判断する側から見て、健全性を判断する代表的な指標は以下になります。

自己資本比率
 高いほど健全な財務体質とされます。
流動比率
 流動資産 ÷ 流動負債。100%以上あれば短期的な支払い能力はあるとされます。
債務超過
 純資産がマイナスの場合、債務超過となり、入札の審査で不利になる可能性があります。

書類としてはどんな形式?

提出書類としては、下記のような形式が一般的です。

直近1~2期分の貸借対照表
決算報告書の一部として提出されることもあり

場合によっては、PDFや印刷の原本提出が求められます。

おわりに

貸借対照表は、会社の経営状態を「見える化」する大切な資料です。
入札参加資格の審査では、この数字をもとに信頼性や安定性を判断されます。
とはいえ、難しく考える必要はありません。まずは全体像をつかむことから始めてみましょう。


参考

会計 | 中小企業庁
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/index.html
【貸借対照表/バランスシートとは?】意味がわからない初心者向けに見方をわかりやすく解説【税理士監修】
https://oyama-toshiro.com/meaning-of-balance-sheet/